保育所等訪問支援ってなに!?

皆さんは、保育所等訪問支援って聞いたことはありますか?
私は昨年初めて耳にしました。
これは児童福祉法に基づく福祉サービスで、最近では国が力を入れているサービスです。
お子さまが普段通われている施設(保育所、幼稚園、小学校、放課後児童クラブ等)へ障害児支援の経験を持つ訪問支援員が訪問し、集団生活の中でお子さまが安心して力を発揮できるよう利用施設や学校の先生方と一緒に、お子さまにとってより良い接し方や環境整備などについて検討・支援を行います。
※このサービスは保育所利用者に限定したものではありません。以下も対象となります。
(保育所等:保育所、幼稚園、小学校、放課後児童クラブ、特別支援学校)

保育所等訪問支援を行う担当者はどんな人?

聖徳会では、障がい児施設でセラピストになり、高齢者施設、病院勤務で小児発達に携わった理学療法士(PT)と、10年以上のキャリアを持つ保育士が保育所等訪問支援を行う担当者(訪問支援員)が活躍しています。

保育所等訪問支援の進め方と利用の流れ

<< 支援の進め方 >>

①訪問支援員が保護者さまや現場職員から聞き取りを行い、ニーズ把握と情報の共有を行います。
訪問先と訪問日程や見学の方法について検討します。

②訪問してお子さまの様子を見学させていただきます。
支援や目標を考え、お子さまに合うオーダーメイドの支援方法を考えます。
・障害児本人に対する直接支援(集団生活適応のための練習等)
・訪問先施設のスタッフに対する間接支援(支援方法の指導等)

③定期的に訪問してお子さまの様子や支援目標について評価し、取り組み方法の再検討を行います。

<< 利用の流れ >>

①電話でお問い合わせ
保護者さまからお電話をください。ニーズ(お困りごと)を確認させていただきます。
(TEL048-594-8006)

②住所地の市窓口へ申請して相談支援事業所へ利用希望を連絡
「保育所等訪問支援を利用したい」旨を伝えてください。
・受給者証の交付申請
・サービス等利用計画への掲載

③受給者証発効後、利用契約締結
受給者証発行の確認後にポコ・ア・ポコまでご連絡ください。
利用契約を締結します。

④利用施設に説明し了承を得る
保護者さまから、保育所等の利用施設に本サービスで訪問支援員が現地に伺うことや連携に関してご了承を得てください。
その後、訪問支援員が訪問先と日程調整を行います。

⑤利用施設に訪問【訪問支援員】
お子さまの利用施設での様子を確認します。また、訪問先の先生方との情報連携や、訪問支援員から支援に関してアドバイスをいたします。
※月2,3回程度

⑥訪問結果を報告【訪問支援員】
保護者さまに訪問時の状況を電話または面接にてご報告いたします。

7.継続・終了の判断(半年、1年後等、サービス等利用計画に基づき)
サービス継続をご希望の場合は4以降を繰り返します

対象者・料金・サービス提供時間帯について

■対象者
行田市、羽生市、熊谷市、鴻巣市にお住まいで保育所等訪問支援利用のための受給者証を取得された方
※療育手帳等の有無にかかわらず、申請により利用が可能となります。

■料 金
児童福祉法に基づく、児童通所支援で定められた料金
・サービス料金(厚生労働省の定める額)のうち、9割が給付対象。1割のご負担をいただきます。
・月の利用料金負担の上限額が世帯収入等によって定められているため、さらにご負担が少なくなることもございます。
・満3歳になって初めての4月1日から3年間は無償です。
保育所等訪問支援は「幼児教育・保育の無償化制度」の対象事業です。

■サービス提供時間
原則、午前中
・お子さまの活動を確認する時間には午前が適しています。


ここからは実際にポコ・ア・ポコで訪問支援員として働く理学療法士(PT)に質問!!

Q1:保育所等訪問支援を利用するメリットは?
A1:障がい特性のあるお子さまを持つ保護者様は、保育所等でお友達と仲良く過ごせているのだろうかと「不安」を持っていました。それを担当の先生に質問することも、また、親として不安に思っていることも言えずにいました。

一方、担任の先生は、他園児との違いを感じているものの、どうしたらそのお子さまが一緒に活動できるかが「悩み」となっていました。

そんなときに、保護者様は保育所等訪問支援の存在を知り、利用を開始することとなりました。

サービス利用回数(保育所等への訪問回数)毎に、お子さまの保育所等での様子を訪問支援員から報告を受けて保護者様はご自宅との違いを理解し、少しずつ「安心」することができました。

また、担任の先生は、お子さまの自宅での様子の情報提供やアドバイスを訪問支援員から得られるようになったことで、徐々に「悩み」が解消へ向かっていきました。

そして、何より一番の変化は、お子さま本人の変化です。

保育所等での生活がしやすくなったため、集団活動に少しずつ参加できるようになっていきました。

障害児支援の経験を持つ訪問支援員は、保護者様や保育所等からいただく情報だけでなく、お子さまを実際に現場で見て確認して得た情報も大切にしています。

そして、第三者の立場で、保護者様、保育所等双方が今まで気づかなかった視点の提供も含めアドバイスをしていきます。

このような支援で、関係者皆さまの「不安」と「悩み」の軽減や解決が図ることができ、安心安全の環境下でお子さまの日常生活が改善されていきます。

Q2:どのくらいのペースで訪問してくれるの?
A2:市役所から交付される受給者証に月の回数が示されていますので、その回数が上限となります。

利用当初は状況確認をていねいにする必要があるため、回数は多めにしています。支援の必要性を見極め、安定してくれば訪問回数を徐々に回数を減らしていけます。

Q3:どのくらい支援をしてくれるの(訪問頻度、内容、期間)?
A3:ご家族とお子さまのご意向、保育所等の利用施設のご意向によって訪問頻度や内容、期間は様々です。ご家族からのヒアリングにて大まかなイメージを作り支援をスタートしますが、訪問回数を重ねてアセスメントを取り、支援方針が組み立てられれば、改めてご家族に支援内容と目標(期間、達成レベル)を提案していきます。

Q4:何歳まで利用できるの?
A4:18歳までです。(児童福祉法に基づく事業であるため)

Q5:保育所等訪問支援において大切だと思うことはなんですか?
A5:まず一番大切にしたいのは、クライアントとのコミュニケーションを基にした信頼づくりです。

知識ももちろん必要で、発達学(運動、社会性、言語分野)と障害児心理学が基本になります。

その他に、保育所や幼稚園での子どもたちの日課、先生方のスケジュールを理解していることが、先方の安心感につながると思います。

最新の知識や技術を身に着けるために、ブラッシュアップをしていくことも大切で、それがあって初めてご利用者に安心安全を提供できると思っています。常にベストサービスを提供し、ご利用者に満足いただけるようがんばっています。

Q6:保育所等の訪問先との連携で気を付けていること、工夫していることはありますか?
A6:訪問先は直接のクライアントというわけではありませんが、ニーズの分析と合致点、不一致点をまずは確認、把握するように努めています。

また、問題解決に向かうためには訪問先にご理解いただくことが重要で、そのために計画を十分に説明します。

そのためには、こちらがエビデンス(根拠・裏付け)を説明できなければなりません。この説明のプロセスが不足すると、ご理解いただけないばかりか、目的に至ることもできず不満につながってしまうため、そのようなことにならないように気を付けています。

Q7:最後に、伝えたいことがあります?
A7:今後、保育所等訪問支援は国が力を入れているため、広がっていくことが予想されます。

ご利用になる場合には、ご自分が信頼できる事業所だと思えるかよく見極めることが必要だと思います。

お子さまは、大人には気がつかない無限大のポテンシャルを持っています。しかしながら、環境に左右されやすい面も持ち合わせています。お子さま自身やご家族、保育所等がそれぞれ単体で悩み、不安を抱えているだけでは、せっかくのポテンシャルも生かすことができません。これまでとは違った発達曲線(※)が描けるように新たな道にチャレンジをしてみませんか?そのお手伝いができる喜びを感じ、日々事業展開をしています。

(※)発達曲線とは

小職(聖徳会職員:阿久津)が名付けた言葉であり、Scammon(スキャモン)が説いた発達曲線(発育曲線)を意味したものではありません。母子手帳に織り込まれた成長曲線(身長、体重)のように、発達が直線的でなく曲線で発達していくという意味で表した言葉です。

安心してください!
聖徳会は支援を必要とされている方の強い味方です

保育所等訪問支援は、児童発達支援を併用して利用するのが、ご本人にとって最も良い環境であり、最強の支援に結びつきます。
聖徳会のポコ・ア・ポコにおいて併用利用もできますので、ぜひご検討ください。

また聖徳会は、未就学児から成人まで5つの施設で支援が必要な方をバックアップしています。

https://syoutokukai.jp/