聖徳会で築いた17年!私のご利用者支援と考え方の変化
支援とは、ただの行為ではなく、心と心がつながる交流です。
入職当初は、支援の正解が分からず、迷いや葛藤でいっぱいでした。
しかし、研修での学び、先輩たちの知恵、そして同僚たちの実践に触れる中で、少しずつ自分らしい支援の形を見つけていきました。
その過程で、支援の本質や大切な気づきを得られたと思います。
支援者としての成長の過程で得た気づきや学びを、ここで振り返りたいと思います。
支援におけるコミュニケーションの転機
入職から1年目は、ご利用者の名前や作業の流れ、仕事の内容を覚えることに多くの時間を費やしました。
しかし、それを乗り越えた後は、ご利用者支援の難しさを日々感じるようになりました。
特に、「ほっといてほしいけど、声をかけてほしい・・・」といった複雑な気持ちを持つご利用者とのコミュニケーションには特に苦労しました。
気軽に声をかけてくれるご利用者とはスムーズに関係が築ける一方で、人見知りが激しいご利用者には困惑することが多く、時には怒りをぶつけられることもありました。
「ご利用者に普通に声掛けしただけなのに、なぜなの?」と自問自答する日々が続いたこともありました。
解決策の一つとして、その後は相手の話をじっくり聞くように心がけました。
「あれっ、いつものご利用者とくらべるとなんとなく様子がおかしいかな?」と感じたときには、何度も話をすることで、徐々にご利用者の思考が理解できるようになりました。
そして徐々に、ご利用者にとって何が嫌で、何が好きなのか、そして時には私に甘えている様子にも気づけるようになったのです。
この経験を通じて、ご利用者一人ひとりの気持ちを理解することが支援の質を高める鍵であると実感しました。
信頼関係を築くためには、時間をかけてご利用者のことを知ることが何より重要だと感じています。
支援の中で学んだコミュニケーションの重要性
- 思考の転換が支援の鍵に?!
なんで話が分からないのか?⇒何がわからないのか?
「なんで話が分からないのか?」という思考を「何がわからないのか?」に変えることが、支援の質を向上させる鍵だと気づきました。
特に、よくケンカをしてしまうご利用者二人を支える中で、このことを強く感じました。
ただ『ケンカはだめですよ』と注意するだけでは、お二人の気持ちに寄り添えず、どうしてケンカになってしまうのかも分かりませんでした。
そこで、思い切ってご利用者に質問をしてみました。
「なんでケンカをしたの?」と聞くと、「ごめんなさい」と返答が。続けて「どうしてなの?」と尋ねると、「もうしません」と答えが返ってきました。
このやり取りを通じて、ご利用者が感覚的に行動していることが分かりました。
- 笑顔が生んだ支援の効果
一緒に働く職員が、ご利用者対応に困っている私を見て、「私が対応しますよ!」と笑顔でご利用者へ近づきました。
年末の大掃除をしながら、楽しい声掛けをしていたその瞬間、ご利用者が笑顔を見せたのが印象的でした。
注意をしても不機嫌なご利用者の様子が一転!
職員の明るい声掛けで気分を上げられ、楽しい時間を過ごせたのです。
この経験から、同じご利用者に向けた声がけであっても「注意の声掛け」と「笑顔の声掛け」の差がいかに大きいかを実感しました。
支援には、ご利用者の今の感情に寄り添う姿勢が何よりも重要だと感じています。
笑声(えごえ)で支援の質を向上
聖徳会は外部の研修も頻繁的に行っており、とある外部研修で私は「笑声(えごえ)」という言葉に出会いました。
これは、笑顔の声を意味する造語で、声のトーンや出し方が相手に与える印象を大きく変えることを学びました。
たとえば、「おはよう」の声掛け一つでも、低いトーンと高いトーンでは全く異なる印象を持たれます。
私はこの「笑声」を意識し、明るく元気な声掛けを心がけるようになりました。
これにより、ご利用者の行動をスムーズに促すことができると感じています。
特に、某大手テーマパークのキャストのように、楽しい雰囲気を演出することが重要です。
支援するうえで、自分の気持ちや見方を少し変えるのも大切だと感じます。
つい「これができて当たり前」と思ってしまいがちです。また、実際には「できるけどやらない」ご利用者もいます。
そんなとき、私が意識しているのは「今日はコップを片付けられたね!」といった前向きな言葉かけ。
ご利用者がちょっと嬉しそうな顔を見せてくれると、私自身も自然と笑顔でいられます。笑顔の連鎖ですね!
声のトーンやポジティブな言葉を大切にすることで、支援の質も向上し、お互いに気持ちの良い関係を築けると実感しています。
感情に寄り添う支援の大切さ
聖徳会での経験を通して、支援の質を高めるにはコミュニケーションがとても大事だと実感しました。
『なぜ伝わらないんだろう?』と思うのではなく、『どこがわからないんだろう?』と考え直すことで、より深くご利用者と関わることができると気づきました。
対話を重ねる中で、少しずつご利用者の気持ちや思いを理解し、信頼関係を築けたのです。
特に、感情を表に出しにくい方に対しては、一方的に注意するだけでは解決に至らないことが多くありました。
そんな時には、問いかけを通じてお話を引き出し、どのような気持ちで行動されているのかを探るよう心がけました。
この方法を通じて、ご利用者の本当の気持ちやニーズを理解できるようになったと思います。
また、職員の明るい声かけから学んだのは、注意や指摘よりも、笑顔を通じたコミュニケーションが大切だということです。
笑顔で接することで、ご利用者の気持ちが和らぎ、より良い支援ができると感じました。
この経験を通して、障害福祉の支援者としての役割は、ただ仕事をこなすだけでなく、相手の心に寄り添い、共に成長していくことだと思います。
これからもこの学びを大切にして、さらに良い支援を目指していきたいと思います!