「職員のみえない貢献を可視化!」コロナ禍、これからの福祉で大切なこととは?
Unipos(ユニポス)とは?
Uniposとは簡単に説明するとweb上で従業員同士が「感謝や貢献に対する称賛のメッセージ」と「少額のインセンティブ」を送りあうツールです。
SNSのように1つのタイムラインへリアルタイムに投稿が流れてきます。投稿をみた別の職員が「いいね」と拍手することで投稿した人、投稿された人、双方にインセンティブが付く仕組みになっています。
パソコン、スマホ、タブレットで利用できデジタルが苦手な私でも簡単に使用できるのが1つの特徴です。
仲間から感謝のメッセージをもらえるだけでも嬉しい気分になりますが、さらに嬉しいことがあります。それは、溜まったインセンティブをさまざまなリワードと交換できることです。私はAmazonのギフト券に交換して子供のおもちゃや自分の好きなお酒を買っています。
また、会社にとってのメリットも多く感謝や称賛、激励の気持ちを伝えやすくすることでチームの心理的安全性を高めることができます。
オープンな場所での称賛が増え、組織全体に望ましい行動が広まり、上司、メンバー間の積極的な意見交換が促進され、チームや組織レベルが上がる期待がもてます。
「すまいるシェア制度」の導入
聖徳会では、日々の業務の中で職員の埋もれがちな貢献にスポットライトを当てるため、「すまいるシェア制度」を導入しました。コミュニケーションツールのUniposを活用し、みんなが笑顔を作れる「ライフサポーター」集団を目指しています。
因みに「ライフサポーター」とは、聖徳会の道標の1つでもありますが、事業所でのサービスのみで終わるのではなく、福祉のニーズを持ったご本人、ご家族が今まさに直面している問題を解決するために一緒に向き合っていきます。
そして「今」の支援から「未来」へとつなげ、かけがえのない人生を「拓き」地域に貢献していくことです。まさに助けるのは「今でしょう~!!」という思いでみんな頑張っています!
まずはじめに「すまいるシェア制度」を導入するにあたり、各事業所ごとに係を数名選出しました。今は、コロナ禍なので事業所間の行き来を控えているため、リモートでミーティグをおこない、今後どのように進めていくか、問題点はあるかなどを話合い、情報共有に努めました。
Uniposを始めるには、まず登録作業が必要となります。職員の年齢幅もさまざまなため、「アナログ世代にはきついよ~」なんて声も上がりました。
パソコン操作が苦手な方については、各事業所の係やパソコンが得意な職員が、操作方法も含め繰り返しレクチャーをおこないました。はじめは、苦手と言っていた方も今ではスムーズに操作できているようです。
職員の勤務体制もさまざまなため、勤務時間内におこなえるよう時間をつくるなどの工夫もおこないました。スマホで利用する方に負担が生じないようWi-Fi環境も整えました。
Uniposを利用してみての職員の実際の反応
Uniposを開始して1年が経ったところで職員にアンケートをとりました。
・単純に感謝されると嬉しくなり仕事のモチベーションが上がった。
・変則勤務だと直接感謝を伝えるタイミングがない時があるため、気軽に伝えられるところが良い。
・他事業所の活動の様子や、従業員のことを知ることができる。コロナ禍で事業所間の交流はできないが、Uniposを通じて交流できる。
・今まで気づかなかった従業員の良いところや影の努力を知ることができた。
・職場内に感謝し合う雰囲気が生まれ、職員の良いところを探すようになった。
・みんなが見る場所なので文章や言葉のチョイスに悩むが、文章能力のアップに繋がる。
・Uniposで上がった良い取り組みなどを共有できるので自身のスキルアップやご利用者へのサービスの質が高まる。
・Uniposでもらったポイントで好きなギフト券(Amazon、AppStore&iTunes、Google play)と交換できるのでちょっとしたお小遣いになる。
私の個人的な感想としては、自分が気づいていない職員の良いところや、努力などを知ることができ、それをみんなで共有できるところが、とても良いと思います。また、各事業所、仕事は別々ですが、ポジティブな内容を共有しているので組織として一体感が生まれたように感じています。
働きやすい職場とは「人間関係と感謝のきもち」
仕事をする上で最も優先すること何か?「給料面」、「やりがい」など人それぞれだとは思いますが、「働きやすさ」と答える人も多いのではないでしょうか。私もその中の1人であります。
私が思う「働きやすさ」の中で1番優先していることは、職場の「人間関係」です。特に、福祉の仕事というのは、チームワークや共同作業を求められる場面がほとんどです。
実際、現場にいる私も「人間関係」はとても大切と肌で感じています。なぜなら、人間関係が悪いと職員間の連携がうまく図れずチームとして機能しません。逆に人間関係が良好であれば職場内は笑顔で溢れ、必然的にご利用者へのサービスの質も上がり、笑顔が増えていくからです。
私が高校生の時、1度だけ福祉のボランティアに参加したことがありました。当時は、全く福祉に興味がありませんでしたのでやっと終わったよと帰ろうとした時に「お兄さんありがとう」と声を掛けられ、妙に嬉しかった記憶が残っています。
この「ありがとう」という言葉、今ではとても大きな力を持っている言葉だと感じています。照れやタイミング等の問題で言いそびれることもあるかと思います。
しかし、相手に感謝の言葉として素直に発することで人間関係の構築においても、非常に有効なコミュニケーション手段になるのではないでしょうか。
相手に対して感謝の気持ちを持って接することで相互理解が深まり、結果として組織やチームにおいてもコミュニケーションが活発となり良い方向に向かっていくと思います。
現在、コロナ禍においてテレワーク、時差出勤などが主流となり、職場内のコミュニケーションが減っているのが現状です。今こんな時代だからこそ、相手への感謝の気持ちを忘れずに、思いやりの心を持っていくことが大切ではないかと私は思います。