営業事務から福祉へ~異業種からの転職者が語る福祉の魅力~
「人の役に立ちたい」――その想いが、私の転職の原動力でした。
長年、営業事務として働いてきた私が選んだ新たな道は、福祉の世界。
デスクワーク中心の毎日から一転、“誰かの生活を支える”という実感のある仕事へ。
未経験からの挑戦には不安もありましたが、それ以上に、誰かの笑顔に寄り添える喜びがありました。
今回は、異業種から福祉業界へ飛び込んだ私のリアルな声をお届けします。

転職を決意したっきっかけ
~何気ない子供の一言~
営業事務として働きながら、子育てに奮闘する毎日。
長女が高校3年生になった頃、進路について親子でよく話すようになりました。 会話の中心はもちろん子どもの夢や将来のこと。そんなある日、ふと聞かれたのです。
「そういえば、ママの夢って何だった?」
私は迷わず答えました。
「看護師さんだよ。人を支える仕事、人に寄り添う仕事がしたかったんだ。」
すると長女は、さらっとこう言いました。
「それなら、まだ夢叶えられるじゃん。」
「えっ?今から…?」 その何気ない一言に、心が大きく揺さぶられました。 “もう遅い”と思っていたのは、自分だけだったのかもしれない。
その日から、「人に寄り添いたい」という気持ちが、心の奥から溢れ出しました。 まるでパンドラの箱を開けたように、ずっと蓋をしていた本当の想いが顔を出したのです。 遅ればせながら、夢を叶えるために何ができるかを調べ始めました。
そして、小さいころに抱いた「人の力になりたい」という想いをもう一度胸に抱いて、 私は福祉業界への転職を決意しました。
夢に向かって動き出すまで
~現実とのギャップ、そして新たな気づき~
実際に看護師への道のりを調べてみると、高校生と小学生をひとり親で育てている私にとっては、金銭面・生活面ともに大きなリスクを伴う選択であることが分かりました。
県にはひとり親世帯向けに准看護学校の支援制度もありましたが、私のライフスタイルでは到底生活していけないという現実を突きつけられ、「やはり今からでは夢の実現は難しい…」と感じました。
それなら、自分の夢は子どもたちに託そう。 叶えられなかった分、子どもたちの夢を応援する“サポーター”に徹しよう――そう思った矢先、ふと考えがよぎったのです。
「人に寄り添う仕事は、看護師だけじゃないのでは?」
その時、初めて「介護士」という職業が頭に浮かびました。
ニュースなどで人手不足が取り上げられるたびに、「大変な仕事だよなぁ」と遠巻きに見ていた職種。 まさか自分が身近に感じる日が来るとは思ってもいませんでした。
正直なところ、私の中では「看護師=人を救う仕事」という強い憧れがありました。
それに対して介護士は、排泄介助や入浴介助など“ただただ大変な仕事”というイメージしかなく、自分には到底できないと思い込んでいました。
特に排泄介助には大きな不安があり、介護士を志す決心はすぐにはつきませんでした。
それでも、「人に寄り添いたい」という想いは、心の中で確かに息づいていました。
この想いが、私を少しずつ前へと動かしてくれたのです。
一歩踏み出す勇気
~職業体験が私の人生を変えた~
「人に寄り添う仕事がしたい」――
その気持ちは日に日に大きくなっていく一方で、 「本当に自分に介護士が務まるのだろうか…」という不安も膨らみ、葛藤の日々を過ごしていました。
求人サイトを検索しては、「未経験者でも丁寧に教えます!」という言葉に 「やってみようかな…」と思うものの、応募する勇気が出ない。 子どもたちとの生活を考えると、転職で失敗するわけにはいかないというプレッシャーもあり、 もやもやした気持ちのまま、1か月ほど過ごしていたように思います。
そんな中、とある住宅型有料老人ホームが「就職希望者向けの4日間職業体験」を実施しているという情報を目にしました。
“まずは行動!”がモットーの私にとって、それはまさに「これだ!!!」と思える瞬間。
迷わず応募ボタンをポチッと押しました。 それが、私の今の充実した人生への第一歩となったのです。
無事に面接も終わり、職業体験が決まると、わくわくする気持ちと同時に 「本当にできるかな…」「やっぱり辞退しようかな…」と不安でいっぱいに。 初日を迎えるまで、まるで学生時代のように一喜一憂していたのを覚えています。 今思えば、それも私らしい、ほほえましいエピソードです。
いよいよ職業体験初日。
右も左も分からず、専門用語も知らない私が本当に受け入れてもらえるのだろうか――
そんな不安を抱えながらも、「やるしかない!」と覚悟を決めて、施設の門をくぐりました。
その瞬間、頭に浮かんだのは「案ずるより産むが易し」という言葉。 あれほど不安だった私ですが、笑顔で迎えてくれた職員の皆さん、初対面の私に優しく挨拶してくれたご利用者様のおかげで、一気に心が和みました。
未経験者向けの職業体験を実施している施設だけあって、仕事も一つひとつ丁寧に教えていただきました。 特に心配していた排泄介助も、4日間の体験の中で「気持ちいい状態にしてあげられる喜び」を感じるようになり、自分でも驚くほど自然に受け入れることができました。
ご利用者からの「ありがとう」が、こんなにも嬉しいものだとは――。
介護士という仕事が、想像以上にやりがいのある素晴らしい職業だと知ることができました。
体験終了後は、本職の休みを利用してインターンとして施設で介護を学ばせていただくことになり、半年後には初任者研修の資格を取得。 そのままこの施設で働くことも考えましたが、転職は私にとって人生の一大事。 せっかくなら他の施設も見てみようと、介護職専門のエージェントに登録し、本格的な転職活動を始めました。
それまで「福祉=高齢者」と思い込んでいた私でしたが、エージェントから障害者施設を紹介され、福祉の仕事が多岐にわたることを初めて知りました。 障害者支援という言葉は、私の中にはまったくなかったワード。仕事内容も想像できず、むしろ「どんな支援をするのだろう?」「高齢者介護との違いは?」と興味が湧き、担当者に職場見学をお願いしました。

いざ!障がい者支援の道へ!
~転職はゴールじゃない。支援者としての第一歩~
見学当日。案内してくださった職員の方は、障害のある方々がどんな日常を過ごしているのか、どんな支援が必要なのかを丁寧に説明してくださいました。
施設内は明るく、利用者様同士の笑い声が響いていて、どこか家庭的な雰囲気。高齢者施設とはまた違った空気感に、私は少し驚きながらも、心が引き込まれていくのを感じました。
特に印象的だったのは、あるご利用者が自分のペースで作業に取り組み、職員の方がそれを根気強く見守っていた場面。
「できることを、できる形で支える」――
その姿勢に、福祉の本質を見た気がしました。
見学後、「ここで働いてみたい」と思った私は、すぐに応募を決意。
面接では、営業事務から福祉へ転職したい理由や、職業体験で得た気づきを率直に伝えました。
数日後、採用の連絡が届いたとき、これから始まる福祉の世界での一歩に、心が躍りました。
採用されたのが、今働いている聖徳会――と言いたいところですが、実は最初に入職した施設は別の場所でした。
そこでは障がい者支援の基礎を教えていただき、ご利用者との信頼関係も少しずつ築くことができました。
ただ、施設自体が開所3年目とまだ新しく、支援の方向性が定まっていない部分も多くありました。
「もっとできることがあるはずなのに…」そんな思いを抱えながら、悶々とした日々を過ごしていました。
人生最後の転職と心に決めて飛び込んだ場所でしたが、正直、自分が成長できる環境とは言い難く、5年後の自分の姿がまったく想像できませんでした。
心の奥にある向上心が悲鳴を上げ始め、「このままでは、自分自身が笑顔になれない。そして、ご利用者に最高の支援を届けられなくなる」――そんな危機感が芽生えました。
だからこそ、早い段階で見切りをつけ、再び転職活動を開始。
そして、たどり着いたのが聖徳会でした。
今この記事を読んでくださっている皆さんと同じように、私も聖徳会のハッチポッチとリクルートページを見つけ、心惹かれた一人です。
転職後は、毎日が学びの連続。本当に楽しく、充実した日々を送っています。
聖徳会への入社の決め手、そしてこの1年間の歩みについては――また次回、お話しさせてください。