ルーチェの支援で大切なのは、『技術や経験』より「信頼と人柄」って本当!?

・知的障がい者支援で大切なのはご利用者との信頼関係。ご利用者は感受性豊かな方が多い!?

・表情も目は心の窓というように、ご利用者は読み解く力を持っている方が多い!?

・世話人や生活支援員としてご利用者から心を開いてもらうため、自分自身を知ってもらうこと。良く分からない人には、心を開かない!?

・楽しませたもの勝ち。人を笑顔にさせる大切さ。コロナ禍だからこそ、笑顔が心に響く。向き合い方が大切である。

声を掛けても話してくれない。どんな支援がマッチするのだろう。

ルーチェのご利用者A様。挨拶しても目も合わせてもらえない・・・嫌われているのかな?私自身、A様と向き合う支援をしたかと言うと、A様が出来てないことを少しでも直していただけるといいな、と職員の立場で考えていたため厳しめ言葉を使っていたこともありました。

もしかすると、A様とまっすぐ向き合えていなかったのかも知れません。

A様の入居から1年が過ぎ、A様の部屋が1階から2階に変更になりました。それにより、ご飯を食べるメンバーや環境が変わることとなりました。この変化を起点に、私自身をもっと知ってもらおうとA様にいろいろ話しかけました。

ですが、なかなかうまくいかず・・・。他のご利用者メンバーを巻き込みながら、A様の趣味や好きな事は何なのか知ろうと実践しました。

会話の途中でおやじギャグを交えながら、夕食では、ご利用者同士の悩みを聞くなど息抜きの場を作り、気分的にリフレッシュ出来ればと話続けました。

さて、今のA様と私はどんなふうかというと・・・

「ねえねえ、聞いてよ!」と饒舌に満面の笑みで、私に向かってマシンガンのように話すA様笑顔。

こんなご利用者の変化が、この仕事をする楽しさ。また、支援を行う喜びとなり、モチベーションになっています!

成功の決め手は、「行動を起こすこと」と「タイミング」でした。

介護士時代の苦い経験『君の介助は、君の心が伝わらない』

7年も前のことですが、介護士として訪問介護や在宅介護で仕事をしていた頃、頚椎損傷により車椅子生活を送る40代の方の支援に入っていました。

在宅支援の業務で半年ほど経験を積んでいましたが、介助内容の多さと方法がマニュアル化されており、間違えると怒られることもしばしば。

ある朝、起床の介助時過ぎかかり過ぎることや、何か言われることにビクビクしていた私に対し、ご利用者から『担当を外してほしい』と依頼が事業者に舞い込みました。

当時の上司から「(このご利用者の担当を)続けられそうか?」と聞かれたので『偉そうな物言いをする方の介助はしたくないです。』と泣きながら言った経験がありました。また、私自身精神的に一杯になっており、このご利用者と顔を合わせるのも苦痛でした。

上司から言われたことは「相手を知る努力をしたのか」「心を感じ取れたか」「相手に興味を持ち好きになる事をしたのか」。

上司からは厳しくも的を射た指導を受けました。

ご利用者の威圧感が怖かった私。

心を開かずクローズしていたことが、ご利用者に伝わったのかも知れません。

その後は、向き合い方を変え、相手の目線で物事を捉え、ご利用者と好きな音楽を聴いたりしたことから会話も生まれてきました。

このご利用者の担当は、契約期間満了とともに終了となりましたが、最終日には、「随分酷い言い方をしたけど、仕事を辞めずに頑張ってくれてありがとう!」とのねぎらいの言葉をいただくことができました。

数年後、街中でお会いした際、都内で介護事務所を立ち上げられ代表として精力的に自らの道を開拓していく姿を目の当たりにして微笑ましく今も応援しています。

ご利用者の目線や介助を受けて感じる感じる安心できる支援

私が言われた言葉で心に残る言葉は、「相手を信頼できないと体を預ける(委ねる)ことが怖い」。

知的障がい者ではあまり言われることが少ないですが、この言葉は今も支援をするうえで、人の介助を受ける立場になる心の大切さや、相手を不安に感じさせることがいかに問題か等を実体験しました。

外から見る世界と内から感じる世界の違いは、車椅子からリフト移乗した時の腹圧のかかる圧迫感、声の出せない辛さ、着衣交換後の洋服のねじれによる体への負荷等・・・。

目で見るだけであったことを自分自身が体験すると、「ここまでイメージと違うのか!」と実感しました。

ご利用者の辛さを知ることによって、手早く負担の少ない介助を心がけ、ご利用者にとって心地よい生活をサポートしていきたいと思うようになりました。

グループホームルーチェの支援で望むこと。それは、ご利用者がルーチェの名のごとく希望を持ち光り輝く生活ができること!

ルーチェの日常は、平日は見沼園に通所し、16時過ぎに帰宅します。入浴は、順番は無く、介助の手を必要な方もおりますが、基本、入浴したい方から入っていきます。日常生活の支援を行っておりますが、できることは、自ら行いできないところは世話人・支援員がサポートさせていただきます。

土日は、お休みで、ラジオ体操や散歩を行い体力づくりや趣味で編み物をされる方もいます。お昼を近くのお店に買い物に出かけています。皆さん買い物が楽しみです。または、テイクアウトや出前を注文することもあります。 

支援の中で「地域と共生していく社会」の提供と共に、「笑顔の絶えない、信頼と安心できる場でありたい」と考えています。

また、場合によっては命の危険が発生することはゼロではありません。

ご利用者の変化に気をつけながら、「命をお預かりする使命」を持ちしっかり支援していきたいと思います。

ご利用者のありがとうの言葉に今日も元気をいただいております。

信頼され愛される人柄は、全ての人を和ます。

そんな方には、ぜひ、ご利用者支援に携わっていただきたいと思います。お待ちしております。