新卒職員に聞いてみた~聖徳会で数年働いてみた今~

福祉業界とはどういったものか右も左も分からない人もいれば、今すでに興味関心を向けてくれてる人もいるかと思います。

そんな人たちへの手助けに少しもなれば・・・と、今回、新卒で入職してから様々な経験を得た職員にお話を聞いてみました!
 誰もが社会人1年目という時期があったかと思います。そこから聖徳会の職員がどういう思い出を重ねてきたのか、少しでも垣間見えたらうれしいです。
 今回の執筆者である木村をはじめ、協力してくださったのは見沼園、行田園、ポコ・ア・ポコの計5名の職員になります。

初めての職場、あなたが選ぶ基準は?筆者の思い

 人によって職場を選ぶ基準は異なるかと思います。その中で何を重視し、何を大切にしたいのか。
 少しでも聖徳会に興味を持ってくれた方には、今回の記事は参考になるのではないかと思います。

 執筆者である木村は今年2022年度で入職8年目となります。
 社会福祉法人聖徳会は、障害者支援施設(生活介護、施設入所支援、短期入所)、グループホーム(共同生活援助)、障害者・児相談支援事業、放課後等デイサービス、児童発達支援施設といった多種類のサービスを提供しています。
 そのため、一人ひとりの職員も法人内で異なった経験をしてきました。私もその中の1人です。

2022.8.23(火)放課後等デイサービス ポコ・ア・ポコにて防災学習センターへの外出。
法人URL

社会福祉法人聖徳会|埼玉県行田市の社会福祉法人 (syoutokukai.jp)

 私自身、見沼園(障害者支援施設)からポコ・ア・ポコ(放課後等デイサービス)へ異動して早2年と数か月が過ぎようとしています。
 その間、大人から子どもまで様々な障害特性を持ったご利用者や、十人十色の性格やこだわり、様々な年齢のご利用者と関わらせていただきました。
 その中で、今でも鮮明に思い出せる温かい記憶や、あの時はこういう失敗したな・・・という苦い思い出もあります。

  今となっては笑い話となることもありますが、あの時の失敗がなければ、今まで仕事を継続できていなかったと思います。
 もちろん、今でも反省点もあれば改善できたことも多いです。

 しかし、初めは「ひよっこ」だった私が今や勤続8年目。
 きっと何かしらの理由で勤続できているのだと思っています。
このアンケートで、少しでもその答え(理由)が伝わってくれたならうれしいです。

アンケート ~見沼園編~

Mさんの場合(見沼園)

①聖徳会を選んだ理由、きっかけ
 施設実習の時に法人内の事業所で実習を行いました。
 当時、「障害者」に対してマイナスなイメージ(行動面や過去に障害を持つ方が受けてきた環境等)が強かったです。
 そのイメージが実習を通して覆されたと同時に、そういった方達のために働きたいと思いました。
 実習終了後に、支援課長に法人内で職員として働いてみてはと声を掛けていただいたことが選びました。

②働いてみて感じて良かったこと
 職員がご利用者のために試行錯誤しながら考えて支援していると同時に、ご利用者もご利用者として考えて行動していると知ることができたことです。
 また、ふとした瞬間にご利用者の成長を実感できた時に良かったと感じました。
 業務では先輩職員が優しいですし、丁寧に教えてくれます。
 職員同士もある程度良好な関係なので、比較的働きやすいです
 一般企業と比べても年間休日が多いため、自分のプライベートの時間を多く確保できるのも良いと思いました。

③働いた中で大変だったこと
 ご利用者の個々の障害特性を把握したうえで支援を行わないとその後の生活に影響を及ぼし、ご利用者が不穏になってしまうことです。
 夜勤業務も交代でありますが、大変な日とそうでない日の差があり、深夜帯の休憩時間が確保しにくいことがあることです。
 休みがシフト制なこともあり、プライベートで友人と会うときにあらかじめ目星をつけなくてはいけないため、相手側の休みを合わせずらいことです。

④今でも記憶に残るご利用者とのエピソード
 印象深く記憶に残っているのは、ご利用者とのバスハイク(日帰り旅行)で高い寿司を一緒に食べたことです。
 その際は、ご利用者が予算金額以上のものを食べようとしているのを止めたり、少しの量の食事なのに支払いがめっちゃ高くなって切なくなりました(笑)。
 今となっては笑い話に置き換わるいい思い出です。

⑤今後業務でやってみたいこと
 外出の機会が新型コロナウイルスの影響で減っているので、外出の機会を増やしてあげたいです。

Yさんの場合(見沼園)

①聖徳会を選んだ理由、きっかけ
 大学1年生(短大)の時に2週間の施設実習(2019年 2月~3月)があり、見沼園で実習をしてご利用者の温かい人柄に触れてここで働きたいと思いました。
 年間休日が125日あるので気持ちのオンオフが切り替えられるのではと思いました。

②働いてみて感じてよかったこと
 優しい先輩職員が多いので、安心して働けます(お世辞じゃないです)。
 定時で帰れるのでプライベートの時間が取りやすいです。今年勤続3年目ですが、残業したことはほぼ無いです。

③働いた中で大変だったこと
 まだそんなに大変だと思ったことはありません…。
 しいて言うなら、ご利用者のこだわりと戦っている時ですかね?(苦笑)。

④今でも記憶に残るご利用者とのエピソード
 実習中に「うるさい、あっち行け」と言われてしまったご利用者から話しかけられたときは嬉しかったです。

⑤今後業務でやってみたいこと
 私は音楽が好きなので、ご利用者と合奏ができたらなと思っています。みんなに楽器演奏の楽しさを味わって欲しいです。

⑥その他
 聖徳会は社会人としても、人としても、成長できる場所だと思っています。見沼園は会話ができるご利用者が多いので、自分のコミュニケーション能力を養うことができます。

アンケート ~行田園編~

Iさん(行田園⇒見沼園⇒行田園)

①聖徳会を選んだ理由、きっかけ
 専門学校の就職課の教員より聖徳会を勧められて就職することになりました。

②働いてみて感じてよかったこと
 バスハイク等園内のイベントで一緒に楽しめるのが一番うれしいなと思えます。

③働いた中で大変だったこと
 意思疎通が難しい方に、「これはやってはいけない」と伝えるのが大変だと思います。

④今でも記憶に残るご利用者とのエピソード
 あるご利用者と私が同じゲームをやっていたので、お互いにそのことについて話したり、また、ものまね芸人が好きなご利用者と芸人のことで、いろいろと話題が広がったことです。

⑤今後業務でやってみたいこと
 コロナウイルスがなければ、以前のように個別バスハイク等が実施できたらなと思います。

Kさん(見沼園⇒行田園)

①聖徳会を選んだ理由、きっかけ
 一番最初に印象に残ったこととして、「人愛心~すべては人を愛す心から~」という社是に惹かれました。
 そして、見学すると職員やご利用者の方々が元気に挨拶してくれたり、楽しそうに話しながら活動を取り組んでいる姿を見ました。
 ここなら、社是に沿ったご利用者支援ができそうだと思い、選びました。

②働いてみて感じてよかったこと
 同僚や先輩方も支援について語ったり、教えてくれたり等、とても過ごしやすい環境です。
 ご利用者支援ではなく、ご利用者とともに課題の実行と成長につなげられることが楽しみです。

③働いた中で大変だったこと
 強度行動障害や意思疎通が困難なご利用者に対して難しく感じる場面は多くありました。
 しかし、Off-JTやOJTなどを通したり、先輩職員によるアドバイスなどで、絵カードや日記帳など、その人に合わせたコミュニケーションツールがあることを学んでいきました。

④今でも記憶に残るご利用者とのエピソ-ド
 異動をして2か所の事業所勤務を経験していますが、どの事業所でも記憶に残っているのは公共交通機関を利用した支援です。
 たまにある外出でバスや電車を利用するときは、やはり乗車時や支払時には緊張します。
 当日に向けて利用方法を事前確認し、実際にうまく利用できたときに見せたご利用者の満面の笑顔!達成感と共に、本当にうれしくなりました。

⑤今後業務でやってみたいこと
 以前から実施していますが、コロナ禍という実状を受け入れて、買い物支援や、外出と代替えできる支援の検討です。
 外出できない分、園内食事会を手厚くしたり、各季節に合わせた行事(花火や買い物)を施設内お範囲で実行できるように検討していきたいと思います。

アンケート ~ポコ・ア・ポコ編~

筆者(木村拓也)(見沼園⇒ポコ・ア・ポコ)

①聖徳会を選んだ理由
 障害福祉という分野に興味をもっていたタイミングで見沼園での施設実習があり、そのまま卒業後に就職しないかと声をかけていただきました。
 また、ちょうどその頃に放課後等デイサービスを聖徳会で立ち上げると聞いたのも理由の一つです。

②働いてみて感じてよかったこと
 年の休みが多いことと職場に優しい人が多いこと、日々の業務で子どもたちの成長を感じられることです。

③働いた中で大変だったこと
 見沼園では、ご利用者の「人や物へのこだわり」との闘いでした。
 ポコ・ア・ポコでは、子どもたちの成長に合わせて、支援を変えていかなければいけないことです。

④今でも記憶に残るご利用者とのエピソード
 見沼園では、朝出勤するとご利用者が元気な声で「おはよう」と挨拶してくれたことや、バスハイクでいろいろなところへ出かけたことです。
 ポコ・ア・ポコでは、異動して初めて行った公園外出。子ども2名職員2名の少人数での外出でしたが、子どもたちが本当に楽しそうに自転車に乗っていました。また、その外出先のお店でカレーうどんを注文して全然食べきれていなかった子が、今では食べる量が増え、身長も伸びて立派になっていることです。

⑤今後業務でやってみたいこと
 コロナ禍の中でなかなか難しいですが、保護者に日用品購入希望のメモをもらって、デパートでそのメモの品物を探す経験等、社会スキルを磨く機会を作りたいです。
「手作りランチ」「班ごとに調査してお昼をお店に食べに行く」「工場見学」等、子どもたちがしたいと言ったことをしてあげたいです。

最後に

 いかがでしたでしょうか。
 各職員によって仕事に関する思いや、入職のきっかけ等が異なっていたと思います。
 しかし、今は聖徳会の職員として、同じ社是の下、支援の統一など図りながら職務に努めています。
 おもしろいと思ったのは、やはり、全職員ご利用者との記憶は鮮明に残っており、また、ご利用者の未来に対して何か力添えしたいという思いはみな同じであるということです。
 お金(給料)や出勤の近さ(通勤時間)等で職場を選ぶのは選択肢の一つです。
 しかし、その施設でのご利用者との関わりや、職場環境がその後の職務継続(勤続年数)に大きく影響を与えるものだと思います。
 今回この記事を見た方に、少しでも今後の職場選択の参考、力添えに繋がりますよう願っております!