頑張る人が評価される⁉聖徳会人事考課制度の特徴

聖徳会の人事考課制度は2015年(平成27年)6月から施行を開始しました。

特徴は「プロジェクトメンバーによる当法人オリジナルの人事考課表の作成」「コース選択制度」。以下で特徴をご紹介いたします。

人事考課制度の導入

ひと昔前の聖徳会でのお話。それは、2013年度(平成25年度)のことです。
経営環境の変化に対応するために、従前の主流であった年功序列や勤続年数を基準とした処遇を改め、役割や能力を軸とした「人材育成の仕組み」の構築が必要となりました。

そのため、新人事給与制度では、職員の役割を明確化し、階層を整理して等級フレームを作成しています。
等級フレームをもとに人材育成・能力開発をクロスした人事考課を行い、その評価結果を役割基本給(当時は基本給)、諸手当(役職手当・業務手当)、賞与などに反映するようルールの見直しを行いました。

また、昇格・降格の基準なども定め、新たな人事・給与制度を策定し導入しています。

人事制度開発プロジェクト・その名も「明日の聖徳会を創る会!」

2013年(平成25年)12月に役員会の承認を得て、我こそはというメンバーを募集したところ、見沼園から8名、行田園から9名の職員が名乗りをあげてくれ、プロジェクトメンバーとなりました。

当時、聖徳会は見沼園、行田園の2事業所しかない時代。
また、両園が交流し共同で行うプロジェクト自体経験がなく、どのように進むか想像がつきません。

プロジェクトは毎月原則1回ずつ。参加しやすいように、両園同内容で2回開催し、直接処遇職員は勤務都合でどちら園の開催でも自由に選んで参加して良いとしました。

このプロジェクトは、埼玉県社会福祉協議会主催の経営関連研修講師でおなじみの日本コンサルディング株式会社にファシリテータを依頼し、和気あいあいと時には厳しく進めていただきました。
なんと合計24回開催。
最終的にメンバーの思いが詰まった人事考課表の完成となりました。


聖徳会では、1~7等級すべての職員が同じ人事考課表を使用します。もちろん、等級に応じて求められるレベルや項目ウエイトは異なりますが、考課の着眼点は同じ。
特徴的としては
・ご利用者一人ひとりへの支援の配慮はできたか
・ご利用者目線で新たな企画や業務改善の提案をおこなっていたか
・・・など、ご利用者を意識した項目がふんだんに盛り込まれていることです。


この考課表は、他法人にはない聖徳会オリジナル!
ご利用者を強く意識したものとして完成しました。
聖徳会の「私たちの道標」として掲げている、社是、経営理念、めざす職員像(ライフサポーター)とも合致します。
まさに、メンバーによる明日の聖徳会を創る 力作となりました。

等級制度(キャリアパス)を策定し、等級ごとの役割基準を明確にすることで職員それぞれが自分の求められている役割を理解できるようにしています。


また、役職を増やすことにより、今まで役職のなかった職員の意識を変え、当法人勤続年数だけでなく異業種経験やキャリアに見合った役割で中途採用できるようにしました。

主任とスペシャリストが選べる!?コース選択制度

キャリアに見合った役割・・・と前述しましたが、マネジメント業務よりも、現場でご利用者支援を継続したい、という希望を持つ職員が、福祉業界では多い傾向があります。

そのため、4等級昇格時に「上級業務担当(主任)」と「熟練業務・指導(スペシャリスト)」のコース選択制度を設けることとしました。
これにより、職員の希望と与えられた職責のミスマッチを防止できるようにしました。


ご利用者ファーストだけでなく、職員の希望も考慮する、そんなところも聖徳会の人事制度の特徴です。

頑張る人が評価される!?そんな聖徳会の道標(みちしるべ)

プロジェクトメンバーの思いがこもった人事考課表を用い、人事考課研修を経て毎年4月に自己評価を行います。

その後に1次考課者による考課面談⇒2次考課⇒人事考課会議⇒最終考課フィードバック面談と展開し、プロジェクトメンバーの思い=聖徳会の思いに合致した職員が評価される仕組みとなりました。


聖徳会の思いは「私たちの道標」として掲げ、人事考課表作成プロセスにおいても、その都度メンバーで確認をしました。

実際に完成した人事考課表にも掲載しており、私は業務で迷ったり、判断が難しいときには、必ず道標に立ち戻ることとしています。


私たちの道標
■社 是
「人愛心」~すべては人を愛する心から~
■経営理念
今を助け、未来を拓く
・福祉ニーズをお持ちの方へ
聖徳会は、ご本人・家族が、今まさに直面している問題を解決するために一緒に向き合います。
そして「今」の支援から「未来」へとつなげ、かけがえのない人生を「拓く」ライフサポーターとなります。
・地域の皆さまへ
聖徳会は、地域福祉における今日的課題に取り組むことにより「今を助け」ます。
そして、誰もが生き生きと暮らせるよう、住みよい地元づくりに寄与し、「未来を拓く」ライフサポーターとなります。
■私たちが目指す職員像
ライフサポーター
聖徳会は自事業所でのサービスのみで完結するのではなく、福祉ニーズを持ったご本人・家族の人生を長く支える「ライフサポーター」を目指します。
また、地域の皆さまに安心を提供し、頼りにされ、愛される「ライフサポーター」を目指します。

「私たちの道標」の話へと少々話題がそれましたが、聖徳会の人事考課制度を説明してまいりました。
ご利用者ファーストの人事考課表に、職員の希望と与えられた職責のミスマッチを防止する職員思いのコース選択制度。
頑張る人を評価する、こんな聖徳会にご興味をお持ちいただけましたでしょうか?

社会福祉法人聖徳会
法人本部副長 寺田 均