ポコ・ア・ポコの「活動」ってなに?

子どもたちが通う学校や事業所で、「何をしてきたのかな」「これってなんという意味かな」――ってありませんか?日々の中でそういう瞬間もあるかと思います。

今回はポコ・ア・ポコで保育士を務める木村が執筆し、当事業所の放課後等デイサービスとしての活動について焦点を当てました。

普段知らなかった見えなかった活動について、少しでも知って安心していただきたいです。

「子どもが何をしてきたかよく分からない」ということありませんか?

放課後等デイサービスで通っていてどういったことをして過ごしたのか分からない。
私たちも日々の子どもたちの様子を連絡帳や送迎時お伝えできるよう務めています。
しかし、伝えられていないこともきっと多いことでしょう。

また、現在は放課後等デイサービスの併用しているお子さんも多く、事業所ごとに行っている活動、帰りの引き渡し方も異なっていることも多い。
その中でご利用者や保護者にも混乱させてしまう場面もあるのだと想像できます。

私たちが、日々子どもたちと行っている「活動」とはどういったものか。
子どもたちが学校や事業所の送迎から帰ってきたとき、「〇〇の活動をしました」と言われ ”?マーク” を思い浮かべる保護者もきっといらっしゃると思います。
普段からどういう基準で「活動」を行い、また、「活動」は具体的にどういったものなのか・・・。

現在ポコ・ア・ポコで行っている活動は、大まかに3つ(レクリエーション、工作、ワーク)に分類できます。

「レクリエーション」とは?

レクリエーションの中には、「サーキット」「マット運動」「カラーボール」「ボルタリング」「ダンス」,,,,,etcなど様々な活動があります。
では、それらは何を目的とする活動なのかご説明します。

「体幹などが弱くバランスをとるのが難しい」、「コミュニケーション面において」、「ルールに沿って遊ぶということ」など人によって目的は様々です。
ただ、トレーニングとは違い、1人で行うのではなく他の参加している子どもと行います。
運動能力を高めるだけでなく、同時にコミュニケーションをも築く機会にもなります。

一人ひとり課題も違うため、狙いも変わります。

例えば、長縄が苦手だった子がいるとします。
活動自体の参加に難色を示し、苦手意識が強い子でした。
ポコ・ア・ポコの活動の中で、職員の声掛けもあり1年間練習し続けた結果、ある程度まで連続して跳べるようになりました。

支援する立場から見ると、「参加する機会が少なかった」「「参加する前に諦めていた」「リズムをとるのが難しい」「ジャンプできない」など跳べなかった理由が推測できます。

では、なぜ跳べるようになったのか。
それは「周りの子たちの応援」「飛べたという成功体験」「リズムをとること、跳びやすい環境のサポート」が要因かもしれません。

お分かりのように、1人の子だけでも複数の目線を向けるべきポイントがあります。
もちろん運動が得意な子の場合は、目を向けるフォーカスポイントが変わります。

その子の何が得意で何が苦手か、それらを踏まえ運動面はもちろんコミュニケーション面もサポートし、楽しい悔しい気持ちを感じられるのがレクリエーションです。

「ワーク」「工作」って

大きく分けると残りの2つは「工作」「ワーク」と私たちは呼んでいます。

「工作」は主に「ハサミ、のり、色鉛筆…etcなどの道具の使い方」「想像力を豊かにする」「人の話を聴く」など様々な課題が挙げられます。
もちろん年齢や今まで育ってきた環境が違えば求められる課題も異なるでしょう。

例えば、ハサミ1つでも「正しく持つこと」「なぜハサミを人に向けてはいけないか」「まっすぐ切れない」「円に沿ってきれない」などたくさんの支援のポイントが出てきます。

もちろん1回の工作でその課題がクリアされるかというと、そうではありません。
しかしながら、続けて取り組むことで徐々に課題をクリアしたり、作ってみたかったものを作れるようになるなど成長の姿を年単位で感じられます。

一方で「ワーク」とは何か。
主に中等部、高等部となったご利用者に対し行っている活動です。将来の就業に向けて、何が得意で何が不得手か、それらを探り磨きながら行っています。
具体的には、「やすりを使ったお箸作り」「箸を使ってクッションボールを製氷皿に移す」「ボールペンの解体、組み立て」「洗濯場ばさみを挟んでマスに収める」etc…が上げられます。
もちろん手先の器用な子から苦手な子まで課題は人それぞれ違います。
これらは指先の緻密性に関係するワークです。

当事業所で行ってきたワークの中でその子に合わなかった活動もあったかもしれません。
私たちも普段の子どもの様子や、保護者の皆さまのお話、やってみた結果などを複合的な要素で判断しながら活動を更新していきます。

つまり「活動」とは

その子の「特性」「今必要なこと」を踏まえ行っていくこと。
目的に合わせ逐一変化していくものです。
もちろん定番の活動もありますが、年単位で見ると変わっていると思います。

前文では述べておりませんが、夏休み等の長期休みには「実験」「手作りおやつ、ランチ」「社会体験」等、他の特別な活動があります。
普段ご家庭で時間がなく、できないこともあるかと思います。
それらを補うという意味でも「活動」です。

また、学校で行っている活動から大きく逸れないよう情報の連携も受けながら活動を促しています。
コロナなど日々社会の様相も変化し、その変化に苦しむ子どもたちもいます。活動はその子らの息抜きの場の1つです。

普段関わらない他学年の子どもとの交流する機会であり、相手を知る機会とも言えます。
また、活動を通して、高学年も低学年もお互いから学びを得られます。

「活動」を通して、子どもたちにこれからも多くの経験を積んでいただきたいです!