意外と知られていない!?福祉職員のいろんな業務

『福祉職員の仕事は、ご利用者への介護・介助だけだと思っていませんか?』
他にやっていることはどんなことだろう!
実は、私自身も最初は思っていました。
もちろん基本は、ご利用者への介護・介助が福祉職員のメインのお仕事になりますが、グループホームでは「世話人」という職種があり、①食品や備品管理②清掃・洗濯③環境整備④調理⑤金銭管理⑥相談相手としてご利用者お話を聞いて相談にのる・・・など、様々なお仕事があります。これから具体的にご紹介いたします。

食料品の買い出し、消耗品など在庫の把握

グループホームのご利用者は、平日は日中活動として福祉サービス事業所に出掛けることが多いです。
当グループホームルーチェ(以下「ルーチェ」)の場合も、聖徳会内の事業所である「見沼園(生活介護)」を利用しています。
朝10:00頃、ご利用者が不在となったホームで、職員は共有スペースの清掃、食料品や日用品(トイレットペーパー・洗剤)の在庫把握と発注依頼等の管理を行っています。
専門業者に発注する品も多いですが、近隣のドラックストア、ホームセンター、スーパーに定期的に買い物へ行き、必要な物を購入することもあります。
実際、定員19名のルーチェでは、人数が多いこともありますので、日々の生活をする中で日用品をどれくらい使うのか、どのタイミングでなくなるのか等を季節要因も含めて確認し、在庫切れのないように留意しています。

手作りの夕食・朝食、調理は重要!

ルーチェでは夕食と朝食を手作りしています。
夕食は食材配達サービス(ヨシケイタイヘイ)を利用し、バラエティーに富んだ栄養バランスも考えられた食事を提供しています。職員にとっては食材買い出しの手間も省けますし、レシピ通りに作れば美味しくお料理でき、食材ロスもないので大変便利です。
朝食は、職員手作りのおかずが中心です。職員の家族や、近隣の方々からお野菜等をいただくこともあり、新鮮な旬のお野菜でシンプルな食材を活かした家庭料理が登場することも多いです。
また、「ごはん(白飯)」は特に美味しいとのお声をいただいています。これには理由があって、職員家族が栽培したお米、かつ2週間分毎に精米したものをお出ししています。楽しみは秋の新米の季節。ふっくら炊き上がったごはんは本当に美味しいです!

気をつけているのは、ご利用者の体調に考慮した食材選び。
減塩対策を意識した味噌、顆粒出汁、みりん等を選んでいますし、昆布や干ししいたけで味噌汁用の出汁も取っています。もちろん、出汁を取った昆布、干ししいたけは、その後も煮物にして活用しますので、食物繊維を摂るにも役立っています。
味噌汁具材は、主にいただきものの旬野菜や、きのこ類(しめじ、えのき、舞茸)を冷凍ストックしておいたものを使っています。

ルーチェには花壇が2か所あり、大量にネギをいただいた際には地植えしています。薬味での利用には本当に便利!
その他、バジル、イタリアンパセリ、パクチー等のハーブ類も育てていますので、ほんの少し使うだけで、お料理が香り豊かなものになっています。

このように料理の工夫をしていますし、職員の愛情もプラスされた食事はご利用者から好評いただいております。
ご利用者が事業所から帰宅すると『今日の夕食は何?』と質問いただくことも多いです。
食事後は、『おいしかったよ』『また作ってね!』とコメントをいただけますので、職員の料理に対するモチベーションアップにつながっています。

環境整備、機器のメンテナンス

ご利用者が不在の時間帯はホーム内の清掃(お風呂掃除・トイレ掃除・掃除機掛け)や機器のメンテナンスの絶好のチャンス。
ルーチェは建物オーナーからの一棟借りをしている「賃貸物件」ですので、大切に使いたいですし、ご利用者の健康状態にも影響しますので、衛生面も重視して清掃を行っています。
職員での対応が大変な部分は、プロにお任せ!
毎年、エアコンやレンジフードの掃除では、おそうじ本舗にお世話になっています。
設備は経年により消耗や不具合を起こす事があります。ルーチェにはルーバー窓が各所にあり、窓の開閉時定期的に給油をさしながら機能の維持を行っています。

感染症対策では、業務用パナソニックジアイーノオゾンくん蒸型脱臭装置を活用しています。
日々清掃する事により機器の性能維持やメンテナンスを行い、故障に繋がることのないよう日々正常に作動するかチェックしています。

ルーチェには花壇2つとそのまわりの敷地が広く、ご利用者の憩いの場所となっています。
しかし、大変なのは草!
5月から11月頃までは、草が勢いよく生えてきます。そのため夏場は定期的に機械を使用し草刈りを行っています。(草刈りは、職場に入ってから覚えました。)

夏場の草刈りは、修行みたいな感じですね(笑)。

建物もきれいで、庭も近隣の景観を壊すことのないように、環境整備を日頃から心掛けています。

ご利用者の金銭管理、買い物代行

グループホームの世話人業務には、ご利用者の金銭管理が含まれています。
ルーチェでは、金銭管理が難しいご利用者に対しては、事業所として小口現金をお預かりしており、そのうち週末に使う程度の金額を「お小遣い(例:2,000円)」として、金曜日もしくは土曜日にお渡ししています。
自分で考えながらお小遣いの範囲で買い物できる方もいれば、お小遣いをすぐに全部使ってしまう方もいるため、個々のご利用者に合わせた対応を行っています。

ご利用者の週末の最大の楽しみは、「お昼ごはん」を自分で選んで購入すること。
近隣のスーパーやコンビニに買い物に行き、好きなお弁当や、お惣菜とおにぎりの組み合わせ・・・等、を購入して、ルーチェに帰ってからダイニングでお昼を食べています。
皆で同じ食事をするのも良いですが、時々、ご利用者がそれぞれ自分の好きな別の食事を食べるのも、楽しいイベントのようです。


午後の時間帯では、使ったお小遣いをご利用者自ら小遣い帳につけていただきます。ここで、何を買ったか、いくら残金があるかの振り返り。電卓を使って計算、レシートをノートに貼付する等を職員が温かく見守ります。

コロナ禍の中、感染症予防のために外出を控えることも多く、日常で必要な物をご利用者の代わりに職員が買い物代行で対応する事もあります。どんなものが欲しいかを確認して、希望に沿ったものを購入します。お渡ししたときのご利用者のうれしそうな様子も、この業務のやりがいになっています。

まさに、ご利用者の生活に合わせてサポートが大切ですね。

福祉職員の基本。
ご利用者の生活をすべてのことに気を配る!

仕事は与えられた仕事、ルーチンワークだけではなく、ご利用者のことを思い、考えながら仕事するようになりました。
これは福祉業界に転職してから身についてきたように感じています。以前は、マニュアルに沿って決められた仕事をキッチリこなすことのみだったような気がします。

そして、自分一人だけではご利用者の24時間年中無休の生活は支えられませんので、他の職員と協力しながら、お互いに助け合って仕事をすることは大切だと思っています。

「何か仕事を見つけられる人は、たくさんの変化に気づくことが出来る人」
こちらが気づき、そして動けば、ご利用者の変化にも気づき、相乗効果が生まれると思います。

また、今回このハッチポッチサイトWeb広報担当者として投稿文を考え作成している中で、いろいろな発見がありとても勉強になっていると感じています。